第15回ABC
テレビ東京 アナウンス部副部長 佐々木明子氏
ものを伝える仕事ー報道の現場
更新日:2017年2月16日
2月2日に明治記念館「若竹の間」にて第15回Azabu Business Clubが開催されました。
昨年の11月に六本木に移動されたTV東京のニュースキャスター佐々木明子さんをお迎えし、今回も超満員の58名が参加しました。
佐々木明子さんは学生時代に女子ラクロス部を創設し、初代主将として、又、日本代表として活躍され、TV東京では初の社員の女子アナとして入社するというフロンティア精神あふれる方です。
現在は月曜日から金曜日の朝5時45分から6時40分までの「ニュースモーニングサテライト」のメーンキャスターを担当され、毎朝2時30分にはスタジオ入りするという生活を送られている中での今回のABCご登壇でした。
佐々木明子さんは単にニュースを読むだけでなく、ゲストの人選も含めて番組制作に携わり、ゲストとの対談は全て、アドリブでこなすキャスターです。
当日はここだけの資料として、実際のニュース原稿と進行表を見せていただき、ニュース番組が出来るまでを語っていただきました。例えば、日本航空は「にほんこうくう」と呼びます。「にっぽんこうくう」とは言いません。日本と書いて「にほん」と呼ぶ「にっぽん」と呼ぶそれぞれについて、読み方辞典がそろっているそうです。{ANA}は「エーエヌエー」と呼びます。「アナ」とは絶対呼びません。ケアレスミスをしないように必ず素読みの段階で自分の字でるびを振るのだそうです。そんな臨場感あふれる資料を見せていただきお話しいただきました。
TV番組を作るご苦労や気を付けていること等真摯にTVや報道に向き合っていることをとても感じました。
「事実と真実」は違う。ジャーナリストとしての矜持、報道姿勢にも感銘を受けました。
ゲストにだれを呼ぶかその時期についても佐々木明子さんがご担当で、公表数値の発表時期や政治日程等を考慮し、だれを呼ぶか決め、フリートークも全てこなすのですが、話題の人物を話題の時期にセッティングできた時の企画者としての喜びは無上なものだそうです。
女子アナはある意味残酷な世界
若いうちはもてはやされるが、次から次に自分より若い女子アナが入社してくる。
若いだけではない何かをつかむ!最初に配属されたスポーツ番組でTV東京だからこそ叩き込まれたことだそうです。ご自身は選手ではなく監督をターゲットに取材活動をしたそうです。毎日、毎日アピールするように取材し、顔を覚えていただき、勉強することで違った視点の質問をし、他と差別化を図る。この繰り返しだそうで、段々、TV東京だけのコメントもいただけるようになっていったということです。
入社6年までスポーツ番組をされていたとのこと。そして、報道に異動になった時にこう考えたそうです。
今までのことは一回忘れて捨てて、一からやり直そう築こう!このスタンスで報道に移った後、NY支局、現在とキャリアを切り開いてきたのです。
学生時代から創造的破壊を繰り返してきたのですね。本当に素晴らしいと思いました。
朝5時45分からのニュースモーニングサテライトを見ることを日課にしようと思った日でした。
その後、グループに分かれての話し合いでは「TVに何を望むか」というテーマで話し合い、6グループそれぞれ発表し、大変盛り上がりました。この「TV」を「TV東京」と読み替えたグループもありました。
朝2時起きにも関わらず、懇親会にも参加いただき、その飾らない人柄に一同すっかり魅了されました。
改めてありがとうございました。
ABC実行委員長 竹内 敬雄