【 19年度 Vol.11 】
会長対談
第36回 通常総会(懇親会)
勉強会
「六本木の街づくりを考える。」
おかげさまで(会員専用)
私の仕事 塩沢 仁志
大和田 幹夫
榊原 茶々
前野 裕司
家族大好き(会員専用)
2007年を占う 榊原 茶々
七夕とシルクロードの話
佐藤 純
六本木新聞 No.60(PDFデータ)


【 20年度 】
Vol.15
【 19年度 】
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Vol.13
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Vol.11
【 17〜18年度 】
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 星座の物語は、ギリシャ神話をもとにしたものが多い。七夕の物語は中国から日本に伝わったといわれているが、もとをたどると地中海に面したユオロペという小さなギリシャの村に伝わる悲恋物語が、七夕の元祖であると言われている。実はその悲恋物語がシルクロードを通って中国へ伝わる過程で、彦星と織り姫星が逆になってしまったのである。歴史的ロマン、宇宙のロマン、そして身近な人間性が混ざったユニークさがこの物語にはある。

☆ ☆ ☆

 昔、エジプトのナイル川をはさんで、二つの国が対立していた。互いに敵国の男女は結婚が許されなかった。ある日、東の国の王子と西の国の姫が、ナイルの川岸で運命的に出会う。お互いに一目惚れをした二人は恋に落ちるが、お互いの身を知ったときに結ばれない運命を悟る。それを知った占い師が、一匹の牛に二人を乗せて、ナイル川から地中海を経てユオロペの村へ逃したのである。そこで二人は結ばれたが、二人の後をおってきた兵隊につかまり、エジプトの国に戻されてしまった。そしてナイルの両川岸に離されて、7月7日に二人は十字架に架けられてしまう。それを悲しんだゼウスが、二人を天に上げて天の川を挟んで星にした。その時、明るい星(こと座の一等星・ベガ)を彦星とし、それよりもやや暗い星(わし座の一等星・アルタイル)を織姫星としたのである。天の川はナイル川を意味しているが、ナイル川はよく雨で氾濫していたので、晴れた日の7月7日に会えるようにしたのである。

☆ ☆ ☆

 これがユオロペに伝わる伝説である。夏の夜空を見上げると、東京でもべガとアルタイルは良く見える。べガはアルタイルよりもひとまわり明るいが、中国からの伝説ではこのべガが織姫星で、アルタイルが彦星となっている。
 伝説の内容は中国風にアレンジされたが,7月7日の晴れた日に天の川を渡って二人は会えるという話は共通している。ただし彦星と織姫星が逆になり,べガが織姫星、アルタイルが彦星となってしまった。確かに明るいべガが勇敢な王子であり,もの静かな明るさのアルタイルが清楚な姫の星といわれた方が納得はいく。
 このユオロペの悲恋物語は、シルクロードをとおって中国へ語り継がれて伝わった。その時,シルクロードのどこで彦星と織姫星が逆になってしまったのか。だれが逆に伝えてしまったのか。そんなことを想像すると,遠い昔の人間のミスも、幻想的な歴史的ロマンそのものになってしまう。