【 19年度 Vol.12 】
新署長インタビュー
事業報告<六本木清掃活動>
勉強会報告
『最近の法人における「経営と監査」』
私の仕事 谷岡 理香
原田 隆子
家族大好き(会員専用)
コラム[2007年この秋を占う]
榊原 茶々


【 20年度 】
Vol.15
【 19年度 】
Vol.14
Vol.13
Vol.12
Vol.11
【 17〜18年度 】
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●SECとは
 株式会社エス・イー・シー計画事務所は建築設計・都市計画を主な業務としています。SECと言うと、「証券取引委員会」なの? エレベーター会社なの? と訊かれますが、本当はSpace(空間)、Endeavor(努力して目的に向かう活動)、Collaborates(仲間)の略で、「空間創造に、努力しながら挑戦していく仲間たち」なのです。
 スペース・エンデバーといえば、今や宇宙船が有名ですが、1980年創業の我社の方が一応先輩です。アメリカの商標登録しておけば…と悔しがってもいますが、NASAも使ったのだから一応良いネーミングなのでは、と自負しています。

●住まいづくり・まちづくり
 私たちはインテリアからまちづくりまでを連続するフィールドとして考えています。建物は単体として存在するだけでなく、地域の資産のひとつです。その姿や果たす機能は、地域にとっても重要です。私たちはその敷地だけでなく、地域の成り立ちや構成、将来の街並みまでを考慮した計画づくりを心がけています。
 また、建物は住み手や使い手が地域に示す「顔」でもあります。住み手や使い手がどんな表情を見せたいのか、そこを訪れる人にどんな印象を与えたいのかは、計画づくりにとって大切な要素です。
 一方で、建物の主役は住み手や使い手です。そこで毎日、誰がどの様な生活をするのか、どの様な仕事をするのか、どんなサービスを提供するのか、そのためにはどんな空間や設備・機能が必要なのか、とことんお話を伺うことから計画作りは始まります。現状も大切ですが、建物の寿命は長いので、将来の変化に対応できる柔軟性、メンテナンスの容易さや経済性も重要です。設計作業は、お客様の要望を形にするだけではなく、住み方や使い方の将来まで見据えたコンサルティングと提案の作業でもあります。

 まちづくりも同様に、住み手や使い手(所有者、在住、在勤者)と共に将来ビジョンを編み上げていくことから始まります。再開発などの大規模なプロジェクトだけでなく、生活道路1本を広げる、小さな公園をつくるといった仕事でも、綿密な調査に基づく枠組みの提案と並行して、模型やまち歩き、現場でのワークショップといった多様な手法で、共有できるビジョンを編み上げていきます。また、一方で陥りがちな、「総論賛成」「各論反対」の解決にも、地域の将来の利益が自分の利益に繋がるという理想論だけでなく、犠牲になる部分をどうカバーしていくのか、様々な仕組みや制度を駆使して提案していきます。
 こうした幅広くきめ細かいコンサルテーションの経験は、住まいづくり・まちづくりの両面で私たちの取り組みの大きなセールスポイントとなっています。

●コスト管理・品質管理(工事監理)
 近年の構造計算偽造事件や談合事件を見るまでもなく、建物のコスト管理と品質管理は欠くべからざるものということが、一般的に認識されるようになりました。機能的で美しいデザイン計画と併せ、設計事務所の仕事のもうひとつの大きな柱がこの仕事です。
 途中での変更加算が案外バカにならないため、最初の工事費見積のチェックだけでなく、途中での変更による減額増額のチェックも重要です。
 民間の建物であれ、公共の建物であれ、限られた予算の中で最良のものを創り出すためには、お客様の利益を守るプロの監理者が必要です。特に工事中は、完成すると見えなくなってしまう部分が多いこともあり、将来の改修時に、「開けてみたら図面と違っていた」「配線や配管が入り混じって分かりにくい」などということが起こらないためにも、どんなに良心的な建設業者であっても、第三者の監理をお薦めします。例えば、SECが監理をする建物では、電気配線は系統ごとに色を変えているため、修理や改修時に一目で分かるようになっています。構造監理も、現場でコンクリート打ち込み前の配筋一つ一つに目配りをし、安全な建築づくりを目指しています。


●作品一部紹介
■住宅
すっきりとした外観でありながら、銅葺屋根とタイル壁がどっしりとした風格を与えています。あえて塀を造らず、中庭に通じるピロティに玄関を設けて、素通しのシャッター越しに中庭まで見とおせる空間としたことで、防犯上の安全性も高めています。

1階が動物病院、2〜5階が親族で分割所有する集合住宅。エレベーターの設置など徹底してバリアフリー化を図ることや、設備配管の維持管理をしやすくすることなど、永く住み続けられるように配慮していることが特色です。ペアガラスサッシの採用・床暖房の完備など、居住性能の充実を図っています。外壁は押し出し成型セメント版の素地仕上げ、目隠しは波板ガラスとし、素材感・透明感を演出しています。
■事務所店舗
景観形成地区に指定された商店街に建つ、1・2階がオーナー店舗(花屋)、3・4階が貸事務所、5階がオーナー住居のビル。JR線高架ホームから間近に見えることを考慮し、線路側とエントランス側にそれぞれアクセントを持たせたデザインで、建物のフォルムそのものがサイン(広告塔)となっています。
■公共施設
入間丘陵にある老人福祉センター。豊かな自然が残る環境に立地し、東西にのびる建物のかたちは茶畑を意訳、室内は温泉旅館のイメージで構成されています。高齢者施設であることから、意匠的には和風をテーマとしています。

代々木駅前の一角に立つ交番。スクランブル交差点のレフレクションとしてとらえたデザインです。